GF/TSMC特許訴訟情報

 Globalfoudries(GF)によるTSMCとその顧客企業等への特許権侵害訴訟に関してGFからメディア向けのFact Sheetが出されています。これによると米独の16の特許を使ってTSMCを含め20社を相手に5つの機関・裁判所に合計で25の訴訟を提起しており、これまでに聞いたことのない規模の訴訟キャンペーンとなっています。

 その背景については色々な憶測があるようですが、その結果によっては半導体業界にとどまらず電子機器産業のサプライチェーン全体にインパクトを与えることになりかねなず注視が必要だと思います。対象のテクノロジーとして7nm, 10nm, 12nm, 16nm, 28nmプロセスが挙げられていますが、28nmは量産開始からすでに8年が経過しておりボリュームゾーンとなる主力プロセスとして多くのチップメーカで使用されていると思いますので影響の出る範囲は大きいと思います。

 今回GFは米独で16件の特許で25の訴訟を提起しているのですが、そのうち米国ではITCで2件、2つの地方裁判所で19件もの訴訟を提起しています。米国の地裁の19件の訴訟に関しては、RPXという企業の提供するInsightと呼ばれるサービスで無償で訴状が確認できますので訴訟ごとに被告と特許をまとめてみました。

Globalfoundriesが米国地裁にてTSMC等を提訴した訴訟リスト

 これをみると訴訟は被告にTSMCを含む訴訟と含まない訴訟に分かれています。また使用されている特許は概ね3つのグループに分かれているようです。使用されている特許の内容についてはこのような訴訟で使用される特許のレベル感を把握するためにも分析をしていってみたいと思います。