OTNインターフェース規格(ITU-T G.709)
近年の動画・音楽ストリーミングサービス発達やクラウドサービスの普及を背景に通信ネットワークにおけるデータトラフィック量は増大を続けています。また5Gで要求されるサービスの実現のために更なるデータトラフィック需要の高まっています。それに伴い、通信ネットワークの基幹である光伝送ネットワークシステムには益々の技術革新が求められています。
ところでその光伝送ネットワークシステムに関連する標準規格の代表的なものの一つにITU-TによってG.709として勧告されたOTN(光伝送網)インターフェース規格があります。
OTNインターフェス規格(G.709)ではルータ・スイッチや交換機などから多様なクライアント信号を光伝送装置が収容・ラッピングし、光ネットワークに転送するためフレームフォーマットなどが規定されています。
OTNは2001年にまずOTU1(OpticalTransport Unit 1)( 2.67Gbit/s)、 OTU2(10.7Gbit/s)、OTU3(43.0Gbit/s)という3つの伝送速度が規定されました。その後2010年にOTU4(112Gbit/s) が2010年に加えられました。OTU1,OTU2,OTU3はクライアント信号としてSDHを想定して規定され、OTU4はEthernet(100GbE)の収容が目的となっています。
OTUk(k=1、2、3、4) は4×4080 バイトの固定長フレームで表され、クライアント信号を収容するペイロード領域、監視・制御用の情報を収容するオーバーヘッド(OH)領域、伝前方誤り訂正符号(FEC)領域からなります。
また2016年には100Gbps超の光チャンネル向けのフォーマットとしてOTUCnが規定されました。この規定では複数の光信号を並列に用いるマルチキャリア伝送への対応が可能となりました。
また更には25Gbps/50Gbpsイーサネット信号に最適化されたOTU25/50も規定されており、この2021年3月15日にOTU25/50のFECの規定を勧告するG.709.4が最終承認されています。
このG.709.4は5Gトランスポートをサポートするように制定されており、今後のデータトラフィックの増大の対応に貢献していくものと思われます。
今回は以上です。